「体験の格差」難しい可視化 貧困の当事者が語る
18歳未満の子どもの、およそ7人に1人が貧困状態にある日本。これは先進諸国と比べても高い水準だ。そうした中、所得の問題などの陰に隠れて見過ごされがちなのが「体験の格差」だと、ライターのヒオカさんは指摘する。可視化しづらいこの格差に対し、社会はどう向き合うべきか。自らも貧困家庭で生まれ育ったというヒオカさんが語った。
ヒオカさんは5月、「ビジネスインサイダージャパン」に発表した記事で、東京都内のある児童養護施設を紹介した。一般家庭との格差をなくすための取り組みに尽力している園の関係者の話から、大学などへの進学や就職、結婚といった人生の節目、金銭感覚をはじめとする社会常識をめぐって子どもたちが直面する困難が浮かぶ。
ヒオカさんが特に注目するのが、「体験の格差」だ。家族で誕生日やクリスマスのお祝いをしたことがない、部活動に参加したことがない。あるいは家に本などがなく、文化芸術に触れる機会もない……。こうした体験の欠如は顕在化しづらいが、その積み重ねは個人の人生に重大な影響を及ぼすと、ヒオカさんは話す。
国立青少年教育振興機構は2016年に20~60代の5千人を対象として、子どもの頃の体験と将来の資質や能力との関係について調査を行った。その結果、「家族行事」「友だちとの外遊び」「委員会活動・部活動」といった経験を多くしていた人ほど、「コミュニケーション力」や「自己肯定感」などの「社会を生き抜く資質・能力」が高いことが分かった。また「家族との愛情や絆を感じたり、遊びに熱中した経験」の度合いに関しても同様の傾向が見られ、体験の量と質がいずれもその後の人生を左右する可能性が示された。
貧困家庭で生まれ育ったというヒオカさんは自身を振り返り、特に貧困が子どもの得る体験の乏しさと密接に結びつく現状を問う。
昨年、ヒオカさんは投稿サイ…
この記事は
会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:522文字/全文:1298文字

0 件のコメント:
コメントを投稿